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「コロナ禍で考えたこと」

建装工業 株式会社 MR業務推進部

統括部長 吉田秀樹

■“人間万事塞翁が馬”

武漢に端を発し、世界中で蔓延している新型コロナウイルス。このウィルスに対する日本政府の対処については、経験不足が否めませんでした。というのもサーズ(SARS)やエボラ出血熱といったウィルスが、幸いなことに日本で蔓延しなかったことから、ウィルスに関する危機管理が十分になされてこなかったからだといわれています。

“人間万事塞翁が馬”とはよくいったもので、今回このことわざを強く感じました。予想もしなかった事態が起き始めていると世間が感じたのは、何といっても横浜港におけるダイヤモンド・プリンセス号での集団感染とその後の豪華客船入港拒否、志村けんさんの罹患による死去だったと思います。志村けんさんの治療は、おそらく日本の最先端医療技術をもってしても治せない病であることが、世間に強烈な印象を与えることとなりました。その後、サイトカインストーム(「免疫の暴走」:新型コロナ感染症の重症化に関連すると考えられている)の存在など、徐々にウイルスの生態が明らかになってくると落着きを取り戻したように感じます。

■浜管ネット専門業部会の取組み

浜管ネット専門業部会では、昨年3月以降、コロナ禍におけるセミナー等の中止を決め、浜管ネット通信第29号(2020年7月号)に新型コロナウィルス対策の特集記事(「大規模修繕工事におけるコロナ対策最前線」)を掲載するなど、管理組合運営の一助になれたものと考えています。

この未曽有の災害に当社ではどの様に立ち向かったのか述べたいと思います。当社では、新型コロナウイルスの発生と共に、社長を中心とした対策本部を立ち上げ、現在まで延べ50回を超える全国会議を行いました。情報の共有、感染防止の徹底、工事現場への対応方法と多岐にわたる各所からの報告を基に議論を行いながら、工事中の管理組合により安心していただくために努力してきました。

業界に先駆け、検温機能付き顔認証入退場システムも要望に応じて採用しました。その甲斐等もあり、現在まで当社全社員の感染を防ぐことができました。

■東日本大震災との違い

私は、東日本大震災を宮城県仙台市で経験しましたが、この時の大災害の復旧工事に従事したときは、修繕が終わると「お礼の言葉」を管理組合から多くいただきました。今回の新型コロナウィルスの感染拡大では、マンション居住者だけでなく作業従事者を感染させないのが施工業者として当たり前の責務であり、大災害ではあるものの過去の災害とは異質で、きわめて困難な対応を迫られることになりました。

このコロナウイルスも、変異株の流行が危惧されるものの、ワクチンの接種が順調に行われるにつれ、やがていつの日か世界的な新型コロナウィルスの感染拡大によって大きく変化した生活スタイル(ニューノーマル(New Normal)といわれる)が定着した社会になり、平常を取り戻す日が来ると信じています。

■今後の取組み

しかし、われわれマンション修繕工事に携わる者にはこれからも難問が山積しています。マンションにおける二つの老い(居住者の高齢化と建物の高経年化)や人口減少に伴う空き家の増加、高齢化に伴う修繕費用の捻出が困難になること等です。これらの問題をうまく克服できるよう、これからも管理組合の為に尽力していきたいと思います。

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