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(第1回目大規模修繕工事が17年目の理由)

2019.9.10 私が取り組んだ大規模修繕
(第1回目大規模修繕工事が17年目の理由)

 

9月10日18時30分から県民センターで管理組合交流部会によるセミナー「大規模修繕に取り組んで学び経験したこと」を開催しました。

 第1回目の大規模修繕工事は築10~12年に行うことが一般的ですが、17年目に実施したということ自体驚きです。なぜそんなことが可能だったのかが今回のセミナーで最も関心を持つところです。以下グランフォーレ戸塚ヒルブリース 前理事長 吉田郁夫氏(浜菅ネット個人賛助会員)による講演です。

 

《マンションの概要》

建物名 グランフォーレ戸塚ヒルブリース

所在地 横浜市戸塚区吉田町1623-15

竣 工 2002年2月

建 物 リッジ1 10階  97戸(免震装置29か所)

    リッジ2 10階 109戸(免震装置36か所)

    中央棟  地上2階 地下1階

《当初の修繕計画》2008年度

・建物設備修繕委員会で、大規模修繕周期を15年に設定し総会決議

・資金計画を見直し6年目・11年目に修繕積立金値上げを総会決議

・竣工後5年間で共用部アフター対応ができ延期を判断(屋上笠木シール

打替えによるエフロ除去・開放共用廊下の勾配調整による水溜り防止)

《修繕計画再延期》2014年度

・外壁タイル赤外線調査・1級建築士による目視調査で2年延長を判断           

・シール及び屋上防水の劣化調査で軽微な補修や処理は必要だが延期可能

・2018年(築17年目)の大規模修繕実施を総会決議

《大規模修繕に向けた活動》

  2015年度

・2018年まで建物を維持させるため、シールの部分補修と防水端末処理

  2016年度

・大規模修繕工事までのスケジュール案を作成し総会決議

・コンサルタント選定し総会決議

  2017年度

・大規模修繕工事に関する住民説明会開催

・コンサルタント会社による共通仕様書作成と住民説明会

・施工会社の公募等(7社)から3社を選び内定、施工監理会社選定

  2018年度

・臨時住民総会(工事の内容・予定金額・期間・施工会社・監理会社決定)

・住民説明会(4月)

・工事の実施(5月~11月)

・工事の内容(屋上防水工事・壁面タイル補修・ベランダ防水工事・シールの打替え・鉄部塗装・足場が必要な工事を限定し予算削減)

《大規模修繕工事提案時の配慮》

・住民説明会を3回実施、広報を頻繁に実施(全住民に周知・理解を得る、バルコニーの私物処理を1年前から依頼)

・施工会社と協議し、工事期間中の私物も施工会社に産廃とともに処理依頼

・近隣の空き駐車場を借用し、工事期間中の私物置場として使用

《施工時の配慮》

・施工会社にマンション共用部を貸し出し、良い仕事ができる環境を提供した

 (共通棟の一部の部屋を工事現場事務所に提供、共通トイレを工事職人にも使用を許可、エントランス内に工事職人用休憩所(エアコン付)を設置)

・施工会社、監理会社と密に連絡を取るよう心掛けた

・管理組合理事会(建物設備修繕委員会と合同) 年間20回開催

・議事録等で修繕工事状況を住民に周知

《反省・今後の課題》

・反省 不具合連絡の遅延

 施工会社、監理会社と連絡を密に取っていたにも拘わらず、お盆休み期間に

屋上防水の養生不足で漏水が発生したことの連絡が遅延

・課題

 施工会社のアフター対応を活用し建物の維持管理と資産価値の向上を図る

 今後に向けて長期修繕計画及び修繕積立金の見直し

  第二部は30名の参加者とパネリスト(吉田郁夫氏 小山英夫理事 加藤会長 吉村副会長)による「講師を交えた意見交換会」が行われました。

グランフォーレ戸塚ヒルブリースは、早期のアフター対応から維持改善に努め、理事会や建物設備修繕委員会等の活動が活発で、専門家の意見や調査を適切に行っています。決して管理会社任せ・施工業者任せにせず、管理組合全体で取り組む姿勢と情熱が、第1回目大規模修繕工事を17年にすることを成功させた要因かと思われるセミナーでした。

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