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2019.11.28 マンション大規模修繕の課題

2019年11月28日、東京秋葉原UDX南ウイングで、一般社団法人クリーンコンサルタント連合会主催によるシンポジウム「マンション大規模修繕の課題~マンション改修業界のあるべき姿~」が開催された。

そのシンポジウムの中で行われた基調講演を報告する。

シンポジウムの趣旨は、マンション管理組合を支援して社会的な要請に応えるとともに、マンション改修業界の倫理と業務の質の向上を図ることを目的として設立されたクリーンコンサルタント連合会(Clean Consultant Union以下「CCU」という)の発足から一年が経った今回、CCUの活動を報告して、マンション改修業界の現状と問題点、またマンション大規模修繕における課題を考えることであった。

不適切コンサルタント問題は、marta(marta:一般社団法人マンションリフォーム技術協会の略)が機関誌においてはじめて発信し、問題提起を行い、その後、国土交通省が「設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について」2017年1月27日と題した通知を出している。

不適切コンサルタント問題の発信から3年になるが、これを機会に一区切りとして一年間を振り返ってみたいと柴田幸夫氏が講演を行った。

(要旨は以下のとおり)

1. CCU活動の結果は大きく下記3つある

① 管理組合からの相談業務

② コンサルタントの紹介。会員全員が設計コンサルタントである。

③ 管理組合団体との連携事業、セミナー・勉強会の開催、講師の派遣を行っている。

CCUは公益社団法人日本建築家協会(JIA)関東甲信越支部メンテナンス部会、一般社団法人マンションリフォーム技術協会(marta)、マンション・ユニオン設計事業協同組合(MU)、建築再生総合設計協同組合(URD)のメンバーで構成している。

2. トータル3年間の活動

管理組合から受けた相談内容としては、

① 大規模修繕工事の具体的な進め方や一連の流れについて

② 管理組合内部の問題

③ 不適切コンサルタントに依頼したが心配、相談したい。

というものがあった。

その後の活動の中で、「環境は変化したのか」「不適切コンサルタントは少なくなったのか」「バックマージンがなくなったのか」というと悩ましい。減ってきているのかは、表に出ない話である。

不適切コンサルタントの手口は非常に巧妙になっていて、簡単に分かるようにはなっていない。組織を迂回してお金の流れが分らないようにしている。また、不適切コンサルタントは、最近はコンサルタント費用を安く提示するわけでなく、それなりの金額を見積りに入れてきているので、見積金額の多寡では見分けがつかなくなってきている。

その特徴は、①不適切コンサルタントが巧妙化し、複雑化している ②不適切コンサルタントに対応している施工会社が組織化されている ③不適切コンサルタントに対応する施工会社がネットワークを作っているなど、うまく表に出ないようにしている、等々である。

以前、MUで不適切コンサルタントを見分ける条件7つの視点を示したこともあるが、コンサルタントと管理組合が賢くなる必要がある。

3. CCUのこれから

① 管理組合への支援業務。これはこれからも変わらない。

② 現在、「コンサルタント選定マニュアル:改定版」を作成している。

③ 業界を良くしていけば適切なコンサルタントが増えると思う。

講師:柴田幸夫氏(一般社団法人クリーンコンサルタント連合会代表理事)

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