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コロナ禍と管理組合

コロナ禍と管理組合
浜管ネット 理事 前田映子(マンション管理士)

医療のひっ迫、経済の停滞、生活の閉塞。 きわめて個人的には・・・、
エレベーターに乗るときは扉が開く前に大きく息を吸います。停止階までそのまま息を止 めます。もう慣れました。 WEB 参加の会議はほとんどスッピンです。それを壁紙の工夫でカバーします。
毎日電車に乗ります。全員マスクです。異常です。 出入りの都度アルコール消毒です。目がプッシュを探しています。 異常な光景が常態になりました。
この間、仕事柄たくさんのマンションを訪問しています。一番の問題は理事会と総会開催で す。事例を紹介します。

≪A マンション≫
約 800 戸で 1 回目の大規模修繕工事が始まったばかりでした。1 回目の緊急事態宣言で工 事は一時ストップしました。しかし、改修業界内ではほとんど続行していました。延期をす ると工事期間と費用が増加することから、管理組合でも安全に配慮して続行を決めました。
組合員からの反対はありませんでした。無事に工事は終わりましたが、コロナは終息してい ません。 この「若い世代の多いマンション」では理事会の決議ですぐに、WEB 方式の理事会開催に 切り替えました。20 名以上の理事ですが、全員 WEB 参加です。Zoom の機能を使って、採 決も瞬時に集計ができます。 管理会社の協力で、昨年の総会で緊急時の理事会開催を WEB 対応で可能とする規約に変え ました。 総会は蜜を避け議決権行使書の提出をお願いしました。
理事引き継ぎの懇親会ができなかったことと、初めから WEB 理事会のため一体感を感じる ことがなく不自由感は否めません。 この間、大規模修繕工事を進めたため、修繕委員会は頻繁に開催しました。気にはなりまし たが、ひろ~い集会室で何とか対応しました。 リアルでの理事会を開催しないまま 2 年目の夏を過ぎると次期総会の準備が始まります。

≪B マンション≫
約 350 戸で管理組合は 34 期目です。このマンションもかなりお~きな集会所があります。 居住者も理事も結構な高齢者で、理事会では PC 等の機器の持ち込みは皆無です。1回目の 緊急事態宣言時には理事会は中止としました。管理会社も業務停止で管理事務所も閉鎖と なりました。以降、理事が揃わず 2 度ばかり理事会が不成立になりました。 総会は、リアル出席を控えていただくようお願いをして開催しました。
この管理組合では、地下駐車場の機械式駐車設備の更新工事が昨年 1 月に竣工し、ぎりぎ り間に合いました。その後、予定していた照明器具の LED 化工事を実施しましたが、居住 者から不安の声はありませんでした。規約の改正は、国交省の標準が公表されてから対応す ることにしました。

≪C マンション≫
約 150 戸で 1 回目の大規模修繕工事を 1 月から着工しています。コロナによる工事への影 響はないものと判断して、予定通り進めています。組合員からの拒否反応はありません。 施工会社もコロナ対応マニュアルはできています。 ハイグレードのマンションなのになぜか集会室がありません。近隣施設は会議室が閉鎖状 態で、やむなくひろ~いエントランスに椅子テーブルを並べて対応しています。昨年は新任 の理事長が医療従事者であったことから自ら出席を控えられました。 管理会社からも理事からも WEB に対応する意見や提案は出ていません。同じ日に修繕委員 会も開催しており、会議時間は全部終了すると 5 時間超えです。 管理規約は、管理会社からの提案で、早々に WEB 対応の条文に変更済みです。
コロナ禍とは関係ありませんが、1 回目の大規模修繕は予定外(想定内?)の追加工事が出 たこともあり、コロナ下での工期延長はハラハラします。

<気がかりなこと>
浜管ネットでも、すっかり WEB 会議が定着した感があります。問題は会員を含む管理組合 へ向けたイベントが皆無になっていることで、この間にも老朽化と高齢化はどんどん進み、 相談内容も複雑化しています。 特に、無いないづくしで、管理会社からも見放され、取り残された小規模(極小を含む)マ ンションの行く末に、NPO としてどのような支援の手を差し伸べる方法があるのか。国や 自治体の行う制度外のところで、どのように寄り添っていけるか。このピンチをピンチで終 わらせないよう知恵を出し合いたいと考えています。

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