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2020.10.4   知って納得!補助金を活用した大規模修繕工事現場見学会報告(NPO建物ドクターズ横浜主催)

浜管ネットの技術者部会員である片山啓介氏(有限会社 鹿窪建築設計)の説明で現在大規模修繕工事中(施工会社 株式会社 建装工業)鶴見区の築40年、日商岩井第2鶴見マンション(80戸)の見学が行われた。

 

今回の大規模修繕は、3回目にあたるが、2回目以降に屋上防水工事のみをを行っている。

従って、今回工事は屋上を除く外壁・鉄部塗装、下地補修、防水、シーリング工事等通常の大規模修繕工事の内容に加え、アルミサッシ・玄関扉改修、外断熱工事を行っている。

今回の工事の特徴は、①外壁下地補修にアラミド繊維(コンクリート補強)②鉄骨階段の塗装に防錆処理塗料(付着能力の強い塗料)を採用したこと、補助金の活用から③省エネ玄関扉(耐震仕様)・窓サッシを採用したことと④外断熱工事(南面除く)を行ったことである。

<経緯>

2017年に横浜市アドバイザーを依頼し計画を立案、2018年にコンサルを決定し建物調査および助成金制度の検討、区分所有者へのアンケート調査を行った。

2019年に施工会社を選定し、区分所有者への説明を行い、合意を得た。

2020年工事着工となり現在進行中である。

<助成金制度の検討>

今回は国交省の長期優良住宅化リフォーム促進事業の評価基準型(一定の耐震・耐久・省エネ確保)を申請して戸当たり約75万円(補助上限100万円)の助成を受ける予定である

他には環境省の断熱リノベ(集合住宅15万円/戸)、経済産業省の次世代建材(125万円/戸)、神奈川県既存住宅省エネ改修補助(7.5万円/戸)、横浜市住まいのエコリノベーション(40万円/戸)を検討したが、神奈川県、横浜市の補助金は管理組合が申請できず区分所有者単位の申請であること、補助の件数が少ないことにより利用せず今回の選択とした。

長期優良住宅化リフォーム促進事業の概要

<事業要件>
 ・リフォーム工事前にインスペクション(建物の現況調査)を実施すること
 ・一定の住宅性能(耐震性等)を有するようリフォーム工事を実施すること
 ・リフォーム工事の履歴と維持保全計画を作成すること

<補助対象費用>
 ・性能向上リフォーム工事等に要する費用
 ・インスペクション、履歴作成、維持保全計画作成等に要する費用

<補助率・補助限度額>
 ・補 助 率:補助対象費用の1/3

(リフォーム工事実施後の住宅性能に応じて100~250万円/戸)

 

リフォーム工事前にはインスペクション(劣化診断)を行い、且つ、耐震性があることを確認した。様々な補助制度が有るが、それらの多くは国の施策であるCO2削減、健康な暮らしの実現(ヒートショックや室内熱中症予防)、さらに既存ストックの有効利用等に関連するものが多く、マンション管理組合としては、優良なマンションとして維持するために適した補助制度を活用してゆくことが必要である。

司会・進行役 コンサルを担当した有限会社 鹿窪建築設計 片山 啓介氏

施工を行った 株式会社 建装工業 写真は井上幸雄氏

外壁下地補修にアラミド繊維使用(コンクリート補強)

今回は支柱各部を調査して73か所に、鉄筋の外にアラミド繊維(骨にギブスを付けるように)を張って補強を行った

他は通常の補修を行っている

鉄骨階段の塗装に防錆処理塗料(付着能力の強い塗料採用)

 

省エネ玄関扉(耐震仕様)

事前に全住戸の枠寸法を実測しているため当日の作業時間はサッシ改修作業は1時間弱、玄関ドア改修作業は1時間~1時間半となっている

 玄関ドアの改修作業においては玄関踏込みまでの住戸立入りで行える

 

外断熱工事

 

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