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【タイル張りの外壁は大丈夫か?】

Q; このところ外壁のタイルが剥離し、落下したというニュースが目につくようになりました。原因は何でしょうか。調査方法はどうすればいいですか。

 

A; タイル貼りの外壁は美観に優れ、人気があります。しかし、タイルは時間の経過によりいつかは「落下」する運命にあると考えておいたほうがよさそうなのです。ではなぜタイルは落下するのでしょうか。

(1)タイル張り工法

外壁タイル貼り工法には、モルタルを使用する湿式工法とモルタルを使用しない乾式工法があります。ここではタイルの浮き・剥落が多いといわれる湿式工法について説明していきます。

湿式工法には、

①改良圧着張り(あらかじめ施行したモルタル下地面に張り付けモルタルを塗り、モルタルが軟らかいうちにタイル面にも同じモルタルを塗ってタイルを張り付ける方法)と、

②密着張り(張付けモルタルを下地面に塗り、軟らかいうちにタイル張り用振動工具を用いてタイルに振動を与え、埋め込むようにタイルを張り付ける方法)があります。

③モザイクタイル張り(紙張りでユニット化されたタイルを下地モルタルがまだ柔らかいうちに張り付ける方法)もあります。

(2)タイルの浮き・剥落の調査方法

タイル面の浮きは目視によって確認できることもありますが、健全な部分とそうでない部分を目視によって見分けるのは難しいため、打診棒を使ってタイル面をたたき、音の違いによって浮きのある部分を特定していく調査方法を採用します(浮きがあるとカラカラと乾いた音がする。)。

(3)浮き・剥落の原因は?

施工上の原因で考えられる浮き・剥落の原因は、①躯体コンクリートと下地モルタルの界面での剥離、②下地モルタルと張付けモルタルの界面での剥離、③張付けモルタルとタイルの界面での剥離が考えられます。

一方、施工外の原因としては、躯体コンクリート、下地モルタル、張付けモルタル及びタイルの温湿度膨張係数が異なることから生じる、それぞれの部位の伸縮の差異が、浮き・剥落の原因となるともいわれています。いずれの原因によるのか、特定するのは難しいといえます。

(4)管理責任を問われないようにするためには調査、補修が必要

タイルの浮きを放置するといずれ剥落に至ります。タイルの落下により通行人をケガさせた(時には死亡)事故が起きた場合、管理組合は「管理責任」を問われることになります。タイルはメンテナンスフリーではなく、劣化現象に対する保守点検が必要な部位です。

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