主要保険会社の火災保険改定が10月1日付と決まりました。改定率は、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造などの構造と、都道府県によって異なりますが、公表された都道府県の中で最寄りとなる東京都の場合、M構造(鉄筋コンクリート造、共同住宅)では20.4%UPという驚異的な数値となっています。
これは、約3年ぶりの大幅改定で、2013年の大規模な雪害や2015年の台風被害、そしてマンションにおいて年々増加する漏水事故による保険金支払い増を反映したものです。
2016年以降も全国各地で大規模水害が発生し、漏水事故も高水準のため、今後も値上がり傾向は変わらないものと思われます。
地震保険も3段階改定のうち2017年1月、2019年1月は実施済みですが、残る1回はここ1~2年のうちに実施される見込みで、火災保険の値上げに拍車を掛けることになります。
4年ほど前には、築年数だけを基準とした「新規契約の引受停止」が大手損害保険会社の中でも数社ありましたが、現在は、保険料を上げたり補償内容を制限したりすることで、築年数のみで引受停止を行なっているのは、中堅保険会社数社のみとなりました。
しかしながら、総じて保険料は値上がりし、管理組合会計を圧迫する要因となっています。保険料負担を軽減するためには、一部の保険会社が実施している「無事故割引」や「優良物件割引」を活用するか、管理状況診断を受けて高得点を取ることで有利な条件で引受ができる保険会社を選ぶか、など選択肢は限られています。
また、現在の保険契約内容に改善すべき点はないか、確認するのも一手です。活用可能性が低い特約を付けていないか、保険金額の設定は妥当か、など、見直しを行なうことで保険料が半額以下になった管理組合もあります。
築年数により値上げも毎年均等に上がる訳ではなく、築15年目、20年目、25年目などの節目で大きく上がる傾向にあります。
これらの要素を踏まえると、どの時点で切替えを行なうのが最適なのか、マンション総合保険の保険料は、まるで生き物のように日々変化している、と言っても過言ではなく、“常に”かつ“総合的に”かつ“複数の保険会社から見積りを取って”考えていく必要がありそうです。
今すぐに見直しを検討すべき管理組合
①~⑤のいずれかに該当する場合は今すぐご相談を!
① 2019年10月~2020年12月に満期を迎える予定
② これまで複数の保険会社の相見積り比較を行なっていない
③ 給水管・排水管の更新・更生工事を行なった
④ 過去2年間、保険金を受け取っていない
⑤ 建築年が1990年、1995年、2000年、2005年、2010年