新型コロナウィルス感染者数の急拡大を受けて、昨年4月以来2度目となる緊急事態宣言が出されることになりました。マンションにおいても感染者が出た場合の対応について、検討しておく必要を感じておられる管理組合も多いと思います。港南台にあるこまどり住宅管理組合では、団地の居住者にもし感染者が出たらどのような対応をとるべきか、熱心に検討を重ねてきました。作成した「コロナ対応ガイドライン(案)」を編集部に送っていただきましたのでここに紹介します。なお、このガイドライン(案)を参考にするにあたっては、現在の感染状況を踏まえ、それぞれのマンションの実情に応じた、必要な箇所の加筆・修正等を加えて運用していただくようにお願いいたします。(編集部)
1.目的
団地内において新型コロナウィルス感染者が発生した場合の対応について管理組合、自治会としての基本的対応を取り決めておき、イザという際の事態に備えておくことを目的とする。
2.管理組合・自治会の基本的対応について
(1)感染した場合の報告は義務付けないものとする。
(2)感染者に援助を求められても管理組合・自治会としては基本的に応じない。理由として、素人では感染対策に対する知見が不十分で二次感染を防ぐことが出来ないため。この場合は対応出来る機関(保健所・ケアプラザなど)を紹介する。
(3)住民が日頃の付き合いなどから個人的援助を求められた場合は、個別の判断で対応することに関しては一任するものとする。
3.感染予防について
(1)専有部分及び個人における予防について
基本的には周知されている範囲の予防策を独自で実施する。(例:手洗い・うがい・消毒・換気等)
(2)共有部分の予防について
(a)集会所利用に関して
①利用の際は換気を行う
②入室時備えられている消毒スプレーで手の消毒を行う。
③利用者は熱があり、体調が悪いなどの場合は出席を止める。
④マスク着用とする。
(b)階段手すり、ゴミコンテナ、屋外水道など
特に予防対応はしない。(利用に応じて各自手洗いなどで予防する)
4.(自分や家族が)感染したのでは?と感じたら
感染の有無は自分で確認する。少なくとも下記の(連絡・相談の目安)のいずれかに該当する場合には、公的機関(横浜市コールセンター)に連絡・相談する。
<横浜市感染症コールセンター>
電話番号 045-550-5530
受付時間(昼間) 午前9時から午後9時まで(土日、祝日を含む)
受付時間
(夜間) 港南区の夜間相談窓口
045-847-8485 (※日中はつながりません)
<連絡・相談の目安>
- 息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合
- 重症化しやすいリスクある人(高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患、透析を受けている、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている)で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合
- 上記以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合
5.(自分や家族の)感染が判明したら
保健所の指示に従う。(入院、ホテル待機、自宅待機など)感染の報告を受けた場合は以下の対応をする。
6.管理組合・自治会が感染者の発生者を確認したら
何らかの経緯で管理組合・自治会が感染者の発生が確認できたら以下の対応をする。
・感染者が特定されないよう個人情報は厳秘する。(不用意に感染情報を伝えるとプライバシーの侵害になる恐れあるため)
・(個人情報を守りながら)団地住民への周知の方法は戸別配布のビラによるものとする。発生のみを周知し自主管理の徹底を促す。それ以外は保健所等の公的機関の対応に任せ、それに従う。
7.団地内の感染発生後の対応
保健所の指導に従う。
・共用部分(集会所、階段(手摺り)、ゴミ・コンテナ周りなど)は従来通りの対策をする。
・専有部分は必要に応じて各自で行う。
8.その他
(1)◇◇管理会社(以下、◇◇)との連携
◇◇への委託による管理業務については、委託契約に基づき実施されている。しかし、消毒等は契約に含まれていない。いまから対応したとして◇◇に対応して貰うことは可能かとの問い合わせに「保健所の指示に従うこととして対応はしていない」との回答がされている。
◇◇は管理対象が多くマンパワーを含めて対応不可と考えられる。今回のコロナに対して◇◇としての主な対応は以下の通り。
・国の緊急事態宣言発令を契機に、業務縮小、一部中止等の対応をとった。具体的には窓口業務及び清掃業務の支障ない範囲での縮小
・窓口にアクリル板などでの仕切りの設置、マスク、消毒液の常備などを行った。
以上のように現時点では◇◇に対応を求めても出来ることは限られており団地として出来ることをするしかない、と考えている。
(2)消毒等の実施について
・消毒を指示されたら、保健所の助言を得て消毒事業者を手配するといったことが考えられる。
・まず、感染が判明した段階で当人は病院に入院したり宿泊療養施設に移ったりしてマンションにはいないことや、管理組合や管理会社への報告義務もない(法的にも義務付けられていない)ので、状況を把握することは難しい。保健所からの連絡・指導に従うことになる。
(3)自己管理の紹介
・理事会の中で、自分の階から降りてくる際に階段の手すりを次亜塩素酸ソーダなどの除菌剤を染み込ませたもので手摺りを拭いているとの紹介が複数の理事からありました。気が付いた範囲で出来ることから実施することも必要と感じました。
(4)自治会との連携はどうするか?
公的機関からの団地への連絡は自治会に入る。その場合は管理組合と連携して対応する。
(5)個別配布ビラ(案) 省略
以上、現時点において考えられることを前提として、こまどり団地としてのガイドライン(案)を作成してみた。しかし、まだ解明されていない部分もあり、今後の展開において国及び県・市などの方針の変更が変わってくることも十分に考えられる。その内容に応じてその時点で管理組合、自治会役員が協議して対応などを変えて行くことも求められる。
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★大規模修繕工事におけるコロナ対策ガイドラインはこちら
マンション計画修繕施工協会 (mks-as.net)
マンション計画修繕工事における新型コロナウィルス対策ガイドラインver1.0公開版.pdf